フッターのJavaScriptは画像読み込みに影響する?ブラウザの読み込み順と最適化の基本

フッターのJavaScriptは画像読み込みに影響する?ブラウザの読み込み順と最適化の基本

はじめに

Webサイトの表示速度や操作感は、単にコンテンツの量や見た目だけでなく、ブラウザがリソースをどのように読み込むかによっても大きく左右されます。
特にJavaScriptや画像の読み込み順序、そしてそれらがどのように相互作用しているかを正しく理解することは、フロントエンドのパフォーマンス最適化に欠かせない知識です。

本記事では、HTML解析の流れやHTTPの接続制限といった基礎から、「フッターに配置されたJavaScriptは画像の読み込みに影響するのか?」という実践的な疑問までを丁寧に解説します。開発現場でも役立つ知識を、ぜひこの機会に整理してみてください。

ブラウザの読み込み順序とフッターJSの影響とは?

画像やスクリプトのパフォーマンスを左右する仕組みを解説

Webページが読み込まれるとき、ブラウザはHTMLを上から順に解析しながら、必要な外部リソース(CSS、JavaScript、画像など)をダウンロードしていきます。このときの読み込み順序や並列処理の仕組みによって、表示速度や動作に大きな差が生まれます。

特にフッターに配置されたJavaScriptは、画像の読み込みや描画に影響するのか?という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。本記事ではその動作原理を解説しながら、最適化のヒントも紹介します。

HTML解析とリソースの読み込みの流れ

ブラウザはHTMLを上から順に解析し、途中で<link>(CSS)や<script>(JS)タグに出会うと、リソースのダウンロードを開始します。CSSは主にページのレンダリングを左右し、JavaScriptはHTMLの構文解析そのものをブロックする場合があります(同期スクリプトの場合)。

このとき、ブラウザは「Preload Scanner」と呼ばれる仕組みを用いて、初期表示に必要な画像やCSS、JSを先回りして検出・読み込みしようとします。これはパフォーマンスを保つための重要な要素です。

HTTP/1.1とHTTP/2の並列ダウンロードの違い

ネットワーク接続の面では、HTTP/1.1では1ドメインにつき6〜8リクエストまでしか同時に処理できないという制限があります。たとえば画像が多数あるページでは、後から読み込まれるJSやCSSが**待ち行列(キュー)**に入ってしまい、ダウンロードが遅れることがあります。

一方、HTTP/2では「マルチプレクシング」という仕組みにより、1つのTCP接続で複数のリソースを同時にやり取りできるため、このような制限は大きく緩和されます。サイトがHTTP/2に対応しているかどうかは、パフォーマンス最適化に大きく関わります。

フッターに置いたJavaScriptと画像読み込みの関係

JavaScriptがページのフッター(HTMLの末尾)に記述されている場合、画像の読み込みとの関係は以下のようになります。

まず、JavaScriptのダウンロード自体は画像とは並列に行われます。つまり、基本的に画像が多いからといってJSの読み込みが必ずしも遅れるわけではありません。ただし、HTTP/1.1環境下では接続数制限の影響で、JSの読み込みが後回しにされる可能性があります。

また、JSが同期(<script>)で書かれていると、実行時にHTMLの解析を一時中断させてしまうため、ページの表示が遅くなる要因になります。このため、defer属性を使ってHTML解析後に実行させるのが一般的です。

JavaScriptが画像に依存するケースの注意点

たとえば、以下のように画像の幅や状態をJavaScriptで取得する処理を行う場合:

const img = document.querySelector('img');
console.log(img.width);

このコードが早すぎるタイミングで実行されると、まだ画像が読み込まれておらず、正確なサイズが取得できないという問題が発生します。こうした場面では、window.onloadやimg.completeなどを使って、画像の読み込み完了を待つ処理を入れる必要があります。

window.addEventListener('load', () => {
  const img = document.querySelector('img');
  console.log(img.width); // 正しい値を取得できる
});

パフォーマンスを最適化するために

実装時のパフォーマンスを上げるためには、以下のような工夫が有効です:

JavaScriptにはdefer属性を付ける
HTML解析をブロックせず、スムーズな表示を実現します。複数スクリプトの実行順序を保ちたい場合にも適しています。

画像にはloading=”lazy”を指定
初期表示範囲外の画像は後回しにして、ページの表示速度を向上させます。

srcset属性で画像サイズを最適化
画面解像度やデバイス幅に応じて、適切な画像サイズを配信します。

HTTP/2の利用を検討する
サーバー側でHTTP/2を有効化することで、リクエストの並列処理性能が格段に向上します。

まとめ:JSと画像は「直接的」には競合しないが…

フッターのJavaScriptは、通常であれば画像の読み込みと並列に処理されるため直接の影響は少ないものの、HTTP/1.1環境では同時接続数の上限によりダウンロード遅延が起きる可能性があります。

また、JavaScriptが画像の表示状態に依存している処理を含む場合は、window.onloadでの制御が必要です。

フロントエンドのパフォーマンス最適化においては、非同期読み込みの工夫とHTTP環境の見直しが、UX向上に直結します。開発現場でも、より実践的な設計と評価が求められる時代になっています。