日本初確認か?猛毒植物「ジャイアント・ホグウィード(バイカルハナウド)」が北海道大学に出現

日本初確認か?猛毒植物「ジャイアント・ホグウィード(バイカルハナウド)」が北海道大学に出現

“触るだけで火傷”の猛毒植物が日本にも?

2025年6月、札幌市の北海道大学構内で、欧米で「世界一危険な植物」として知られる外来種「ジャイアント・ホグウィード」が見つかった可能性があるとして、大学が調査に乗り出しました。
新聞出典:https://news.yahoo.co.jp/articles/9eecfde1d50ef4c360c1172dbca699c3fdff4c1b

ジャイアント・ホグウィード(学名:Heracleum mantegazzianum)は、セリ科の多年草で、別名「バイカルハナウド」とも呼ばれます。西アジア原産で、高さ5メートル以上、直径50cmにもなる白い花を咲かせる巨大な植物です。その外見は美しく一見無害に見えますが、触れるだけで皮膚に激しい炎症を起こす猛毒性の外来種として知られています。

北大構内で10株以上が確認

報道によると、6月24日午後、北海道大学南東部の道路沿いでジャイアント・ホグウィードとみられる植物が10株以上自生しているとの通報がありました。大学は専門家による種の同定を依頼し、確認が取れ次第、自治体や関係機関と連携して対応を協議する方針です。周辺はすでに立ち入り禁止措置が取られています。

環境省のリストにはまだ「生態系被害防止外来種」として正式掲載されていないものの、その危険性はすでに欧米で立証済み。アメリカやイギリスでは「Devil’s Plant(悪魔の植物)」と呼ばれ、政府による大規模駆除が行われています。

光毒性により「火傷」や「失明」の恐れも

この植物の最大の特徴は、茎や葉、花の樹液に含まれる「フラノクマリン類」という物質にあります。これは強い光毒性を持ち、皮膚に付着した状態で紫外線を浴びると、24〜48時間後に火傷のような炎症や水ぶくれを引き起こします。

症状は時に2度熱傷レベルにまで達し、傷跡が数ヶ月残るケースも。また、樹液が目に入れば視力障害や失明のリスクすらあります。そのため、欧米では公園や登山道に注意喚起の看板が設置されているほどです。

日本国内ではどうだったか?

これまで日本では、「ジャイアント・ホグウィード」は生育していないとされていました。しかし、よく似た植物「オオハナウド」(Heracleum sosnowskyi)や、同属のセリ科植物が河川敷や山間部で散見されており、一般の人が見分けるのは極めて困難です。

今回の北大での事例が正式に確認されれば、日本国内初の自生報告となり、今後の外来種対策にも大きな影響を与えると見られています。

見かけたらどうすべき?

この植物を見かけても、決して素手で触れてはいけません
万が一触れてしまった場合は、すぐに水と石けんで洗い流し、日光に当たらないようにしながら医療機関を受診してください。初期対応を誤ると重症化し、日常生活に支障が出ることもあります。

また、見つけた場合は写真を撮った上で自治体や環境省に通報することが推奨されます。駆除には防護服、ゴーグル、マスクなどが必要なため、一般人が勝手に処理するのは非常に危険です。

結び|「知らない」が最大のリスク

ジャイアント・ホグウィード(バイカルハナウド)は、美しさと危険性が共存する植物です。現在のところ、日本全国に広がっているわけではありませんが、今後の侵入・定着のリスクはゼロではありません

特に自然豊かな場所を訪れる際は、見慣れない大型の植物に安易に近づかず、正しい情報をもとにした行動が求められます。
家族や友人、特に子どもやペットを守るためにも、この知識をぜひ共有してください。