はじめての中国旅行| 第4回 高鉄・地下鉄などの乗り方解説

はじめての中国旅行| 第4回  高鉄・地下鉄などの乗り方解説

中国は広大な国土を持ち、都市間の移動や市内移動も非常に発達しています。旅行中に活躍するのが「高鉄(中国版新幹線)」と「地下鉄(都市の公共交通)」です。
本記事では、日本人旅行者向けに高鉄と地下鉄の基本的な利用方法や注意点をわかりやすく紹介します。

第一章 高鉄(高速鉄道)の乗り方【完全版】

中国の「高鉄(ガオティエ)」とは、日本の新幹線のような高速鉄道システムで、最大時速は350km/hにもなります。
都市間の移動手段として非常に便利で、価格も日本の新幹線よりリーズナブル
ここでは、日本人観光客向けに中国高鉄の乗り方をステップごとに分かりやすく解説します!

🚄高鉄の座席クラス|種類と配置の違い

二等座(にとうざ)

  • 最も一般的かつリーズナブル
  • 2+3 配置(片側2席、もう一方に3席)
  • 簡素なシート、やや狭め(新幹線自由席よりややコンパクト)

一等座(いっとうざ)

  • ゆったり2+2 配置
  • 座席もリクライニング可能で快適
  • USB充電口付きの車両もあり
  • 日本のグリーン車に相当

商務座(ビジネスクラス)

  • 1+2 配置で超広々、電動フルリクライニング
  • 機内ビジネスクラス並の快適さ
  • 軽食・飲み物などのサービス付き(路線により異なる)

動臥(夜行列車タイプの寝台)

  • 夜間移動に便利な寝台タイプ
  • 「高鉄動臥」は高速寝台列車のことで、横になって移動可能
  • 個室型(2人部屋)やソフトベッドタイプもあり
    ※車両によって設備差あり/チケット価格はやや高め

✅ Step 1:乗車券の予約方法(外国人におすすめの予約方法)

方法①:Trip.com(日本語対応・外国人向けに最適)

  • 日本語表示に対応、クレジットカードで支払い可能
  • パスポート番号を入力するだけで簡単に予約完了
  • 電子チケット(QRコード)はメールやアプリで受け取れる

方法②:12306(中国鉄道公式アプリ)での予約(やや上級者向け)

  • 基本的に中国語表記のみ、操作はやや難しめ
  • アカウント登録時にパスポートを使った本人確認が必要
  • 現地価格でチケットを購入できる(最安値)

🚨 注意:

  • 乗車時に使用する氏名は、パスポートに記載された表記と完全に一致させる必要があります。
     → 漢字・アルファベットのスペル・順番を間違えないよう注意!
  • 乗車の際は、QRコードとパスポートの提示でOK。紙のチケットは基本的に不要です。
    ※ ただし、駅や路線によっては外国人に紙のチケットを発行するケースもあります。

✅ Step 2:中国高鉄の駅での流れ

中国の高鉄駅は「空港並みに大きく」「セキュリティが厳重」なため、出発の60〜90分前の到着が安心です。

高鉄乗車の流れ(例:上海虹橋駅)

① 駅の入口でセキュリティチェック
  • 手荷物のX線検査とボディチェックがあります
  • パスポートを提示し、乗車チケットとの照合が行われる場合もあり
  • 飲み物やモバイルバッテリーの確認も実施されます(個数・容量制限あり)
② 待合室で待機
  • 中国の高鉄駅は空港のように改札前に大きな待合ホールがあります
  • 自分の列車の番号と出発時刻を電光掲示板で確認
  • 「開口中」は改札中(乗車開始)を意味します
③ 改札を通過
  • 電子チケットのQRコードをスキャン、またはパスポート読み取り機にかざすだけでOK
  • 改札は通常、出発の20〜30分前から開始
④ ホームへ移動し、乗車
  • チケット画面を見て車両番号と座席番号を確認
  • ホームではスタッフが乗車位置を案内してくれることもあります(特に大駅や観光地)

✅ Step 3:車内の過ごし方と設備

設備内容
荷物棚各車両の前方・座席上部にあり
トイレ洋式・和式あり(車両により異なる)
電源各座席に1口(特に一等座以上)
車内販売飲み物や弁当あり(種類は少なめ)
給湯器お湯が自由に使える(インスタント麺を食べる人多数)

🚫 禁止事項

  • 指定された座席以外に勝手に座ることはできません。
    → 切符に記載された座席番号を必ず守りましょう。
  • 荷物棚に他人の荷物を無断で移動させたり、自分の荷物で埋め尽くすのはマナー違反です。
    → 必要に応じて乗務員に声をかけるのが安心です。

✅ Step 4:降車〜出口へ

  • 駅に到着したら、乗客は順番に降車します。 混雑することもあるので、落ち着いて降りましょう。
  • 出口にも改札ゲートがありますが、入場時と同様にQRコードまたはパスポートで通過可能です。
  • 大都市の駅(例:北京南・上海虹橋など)では、地下鉄やタクシーへの乗り換え案内がしっかり整備されています。 → 駅構内の表示は中国語+英語併記でわかりやすく、地下鉄の乗り換えもスムーズです。

🧳 ワンポイントアドバイス

  • 冷房がかなり効いていることが多いため、脱ぎ着しやすい羽織りもの(カーディガンや薄手のジャケット)があると安心です。
  • 飲み物や軽食は、駅構内の売店やコンビニで事前に購入しておくのがおすすめです。
    → 車内販売は一部路線で実施されていますが、種類は限られており、売り切れることもあります。
  • 高鉄の駅構内は非常に広く、改札やホームまで徒歩10〜15分かかる場合もあります。
    → 早めの到着を心がけ、時間に余裕を持って行動しましょう。

🎉まとめ:中国の高鉄は早くて快適、そして安い!

中国の高速鉄道は、日本の新幹線にも負けないレベルで発展しており、初めてでも安心して利用できます。
予約アプリや事前準備をしっかりしておけば、スムーズな旅が可能です。
移動時間も旅の楽しみにして、ぜひ快適な高鉄体験をお楽しみください!

第二章 地下鉄の乗り方【完全版】

中国の主要都市では、地下鉄(地铁:ディーティエ)が非常に発達しており、旅行中の移動手段として「便利・安価・安心」な交通機関です。
特に上海や北京では、日本と同じように路線が複雑で本数も多いですが、案内表示や乗換アプリも整備されており、外国人でも迷わず利用できるようになっています。

✅乗り方の基本ステップ(共通)

✅Step 1:駅に入る

すべての地下鉄駅では、入場時にセキュリティチェック(手荷物のX線検査)が行われます。
特に
飲み物やモバイルバッテリーなどの持ち物についても確認されます
が、基本的には持ち込み可能です。
(※ 一部の駅ではモバイルバッテリーの容量確認や開封済み飲料の検査が行われることもあります)

✅Step 2:乗車券を購入

 方法①:券売機で買う
  • 券売機はタッチパネル式で、英語表示にも対応しています。
    画面上で目的地の駅を選択し、運賃を支払うと「トークン(コイン型の乗車券)」が発券されます。

    このトークンは、
  • 入場時に改札機にタッチ
  • 降車時に改札機に挿入して回収されるという使い方になります。
 方法②:交通カード(ICカード)を使う

 北京では「一卡通(イーカートン)」、上海では「交通カード(ジャオトンカート)」など、各都市ごとに独自のICカード が発行されています。
 これらはデポジット(預かり金)式で、チャージして繰り返し使用可能です。
 購入は地下鉄駅の窓口や一部のコンビニで行うことができ、短期滞在でも便利に使えるおすすめの乗車方法です。

 方法③:スマホ決済(Alipay)で乗る

 スマートフォンで専用アプリ(Alipay)を開き、「乗車コード(交通コード)」を表示し、改札機にスマホをかざすだけで乗車できます。
 ただし、外国人がこの機能を利用するには事前設定が必要です。
 具体的には以下のいずれかの方法があります:

  • Alipayアプリ内の「Tour Pass」機能を利用(短期滞在者向け)

 設定が完了すれば、切符の購入やチャージの手間なくスムーズに地下鉄を利用できます。

✅Step 3:改札を通る

  • トークンやICカードは、改札機のセンサーにかざして入場します。
  • 一方、「乗車コード」を利用する場合は、専用のQRコード読み取りゲートを通って入場します。

✅Step 4:ホームに向かって乗車

  • 乗車前に、路線番号(例:2号線)と進行方向(東行き・南行きなど)を必ず確認しましょう。
  • 車内アナウンスは基本的に中国語と英語で行われており、都市によっては韓国語や広東語の案内もあります。

✅Step 5:降車〜改札を出る

  • トークン(コイン型乗車券)は、降車時に改札機の投入口に挿入して回収されます。
  • 一方、ICカードやスマホの乗車コードを利用している場合は、改札機のセンサーに再度タッチして出場します。

💡地下鉄利用のポイント

  • ラッシュアワー(7:30〜9:00、17:00〜19:30)は非常に混雑します。
     時間に余裕を持って行動しましょう。
  • 大きな駅では出口が「A」〜「H」など複数あります。
     目的地に近い出口番号を事前に確認してから駅を出ると便利です。
  • 駅構内には無料のトイレや売店、コンビニもあり、とても便利です。

🎉 まとめ:地下鉄を活用して、中国旅行をもっと快適に!

中国の地下鉄は都市ごとに整備が進み、旅行者にとっても利用しやすいインフラとなっています。
言葉に不安があっても、便利なアプリや分かりやすい案内表示を活用すれば安心して利用可能です。
また、各都市でデザインや文化が異なる点も、旅の楽しみのひとつと言えるでしょう。

ぜひ、中国の地下鉄で安全かつ快適、効率的な移動体験をお楽しみください!

関連記事
週末の錦州旅行#2:錦州筆架山を探る|天地の間で満ち引きする潮汐の奇観
満潮と干潮のたびに姿を変える「天橋」で知られる、中国遼寧省の筆架山。潮汐の暗号、三峰の絶景、道教建築の趣を歩いて感じる錦州の旅。40分の徒歩と2分の快艇、自然と文化が織りなす圧巻の景観体験。
vinnie
vinnie
1ヶ月前
週末の錦州旅行#2:錦州筆架山を探る|天地の間で満ち引きする潮汐の奇観
中国旅行前に知っておきたいこと | 文化の違い×実用ガイドを一挙解説!
誤解や戸惑いを避け、より安心して旅を楽しむために、本記事では日本人旅行者が中国で気をつけたい「文化の違い」と「現地生活のリアル」を、分かりやすくご紹介します!
Regina_X
Regina_X
23日前
中国旅行前に知っておきたいこと | 文化の違い×実用ガイドを一挙解説!
【WASABI FOOD】秩父「パリー食堂」昭和の空気を色濃く残した食堂。
西武秩父駅から徒歩7分。昭和2年創業の「パリー食堂」は、絶メシロードでも話題となったオムライスや、懐かしいクリームソーダ・プリンが味わえる、昭和レトロが色濃く残る名店。看板建築の外観も必見。秩父観光に外せない一軒を紹介します。
WASABI
WASABI
20日前
【WASABI FOOD】秩父「パリー食堂」昭和の空気を色濃く残した食堂。
はじめての中国旅行|第3回 WeChat / Alipayの登録と使い方完全ガイド
目次 ~QRコード支払い、実名認証、外国人クレカの連携まで徹底解説~ 📱WeChatの登録と使い方完全ガイド 第1章|WeChatってなに? 第2章|:インストール(ダウンロード) 【iPhoneユーザー】 【Androidユーザー】 第3 […]
Regina_X
Regina_X
9日前
はじめての中国旅行|第3回  WeChat / Alipayの登録と使い方完全ガイド
一つの山に、四つの宗教の聖地が集う──なぜカイラス山は「世界の中心」と呼ばれるのか?
カン・リンポチェ(岡仁波齐)は四大宗教の聖地であり、アジアの四大河川の源流でもあります。独特な地形と神秘的なエネルギーを持ち、登山者は急速に老化すると伝えられているため、多くの人は山を登るのではなく巡礼路を回ることで信仰を示します。カン・リンポチェは単なる自然の驚異ではなく、信仰と文化の象徴です。
Details
Details
12日前
一つの山に、四つの宗教の聖地が集う──なぜカイラス山は「世界の中心」と呼ばれるのか?
【保存版】神の山・梅里雪山をめぐる祈りと悲劇|撮影スポット・登山事故・巡礼文化まで徹底解説
中国・雲南省にある神秘の山「梅里雪山」。誰も登頂できない神の山として知られ、1991年の登山事故やチベット仏教の聖地としての信仰が今も息づいています。本記事では、歴史背景・巡礼文化・おすすめ撮影地・トレッキング情報などを保存版で詳しく紹介します。
Details
Details
17日前
【保存版】神の山・梅里雪山をめぐる祈りと悲劇|撮影スポット・登山事故・巡礼文化まで徹底解説
はじめての中国旅行| 第1回 出発前の準備ガイド【保存版】
中国旅行前に準備しておきたいことを徹底的にまとめました
Regina_X
Regina_X
12日前
はじめての中国旅行| 第1回  出発前の準備ガイド【保存版】
海がくれた静けさと自由──私がめぐった、6つの海の記憶
どこかに行くだけで、心が静かになる場所はありますか? 私にとってそれは「海」。 大連、海南、沖縄、タイ、ベトナム、マレーシア。 それぞれの海が、私の心をそっとほどいてくれた。 海に出会い、自分と向き合った旅の記録。
Regina_X
Regina_X
1ヶ月前
海がくれた静けさと自由──私がめぐった、6つの海の記憶
新疆旅行記#2|喀納斯(カナス)──神秘の絶景と北疆グルメ、観光ルート完全ガイド
喀納斯(カナス)の神秘的な絶景、自然現象、北疆の郷土料理、おすすめ観光ルートを紹介。新疆旅行で外せない秘境を徹底ガイド。
D3D
D3D
8日前
新疆旅行記#2|喀納斯(カナス)──神秘の絶景と北疆グルメ、観光ルート完全ガイド
【登山シリーズ①】中国・東北地方の秘境「馬耳山」──猛暑の中、三都市が交わる山頂へ
中国東北部・遼寧省の「馬耳山」は、瀋陽・遼陽・本渓の三都市が交わる山。32℃の猛暑の中で挑んだ週末ショートハイキングを通して、地元に根差した自然と絶景の魅力を紹介します。低難易度で初心者にもおすすめ。
vinnie
vinnie
1ヶ月前
【登山シリーズ①】中国・東北地方の秘境「馬耳山」──猛暑の中、三都市が交わる山頂へ
✈️ はじめての中国旅行|第2回 入境篇【空港到着〜ホテルまで完全ガイド】
中国旅行シリーズ第2回は「中国への入国(入境)」について解説します。
Regina_X
Regina_X
10日前
✈️ はじめての中国旅行|第2回  入境篇【空港到着〜ホテルまで完全ガイド】
【WASABI FOOD】君津「ラーメン花屋」吉村家・ちばから出身の店主が作る “ネオ竹岡式ラーメン”
千葉・君津の「ラーメン花屋」は、吉村家・ちばから出身の店主が作る“ネオ竹岡式ラーメン”が人気。深夜出発からの実食レポを通じて、濃厚な醤油スープと絶品チャーシューの魅力をお伝えいたします。
WASABI
WASABI
2日前
【WASABI FOOD】君津「ラーメン花屋」吉村家・ちばから出身の店主が作る “ネオ竹岡式ラーメン”
週末の錦州旅行#1:千年の仏寺「奉国寺」で時を超える物語を探る
『黒神話:悟空』の幻想的なステージのモデルとされる中国・奉国寺。実際に現地を訪れた筆者が、ゲームでは伝わらなかった本物のスケールと、1000年の時を超えた建築と仏像の感動を記録。静かな哲学の旅が始まる。
vinnie
vinnie
1ヶ月前
週末の錦州旅行#1:千年の仏寺「奉国寺」で時を超える物語を探る
🐯東北って何者!?知られざる中国・東北文化の世界へようこそ!
中国の東北地方(遼寧・吉林・黒龍江)は、日本ではあまり知られていない魅力の宝庫。極寒の地に住む熱い人々、豪快な料理、幻想的な自然風景を、日本人にもわかりやすく紹介します。
Regina_X
Regina_X
27日前
🐯東北って何者!?知られざる中国・東北文化の世界へようこそ!
新疆旅行記#1|アルタイの秘境・禾木(ハームー)村で童話のような風景と出会う
新疆アルタイの秘境・ホム村を訪れた筆者が、山間に佇む木造の村、幻想的な朝霧、ホム川沿いの静寂な時間、美麗峰への乗馬体験、個性的な民宿の魅力を綴る。童話のような風景と出会った、人生初のホモ村探訪記の第一章。
D3D
D3D
1ヶ月前
新疆旅行記#1|アルタイの秘境・禾木(ハームー)村で童話のような風景と出会う