はじめての中国旅行| 第5回 日本人に人気の観光スポット7選ーー第1弾 首都・北京(ペキン)

中国は、広大な国土と長い歴史、豊かな自然や文化に恵まれた、魅力あふれる旅先です。
初めて中国を訪れる日本人にとっては、「どこへ行けばいいの?」「言葉は通じる?」と不安に感じることもあるかもしれません。でも、ご安心ください。
今回は、日本人旅行者にも人気が高く、中国の人々からも「一生に一度は訪れたい!」と言われている代表的な観光地7選を、シリーズ形式でご紹介していきます。
まずはその第1弾として、中国の首都・北京(ペキン)をご紹介します。
北京(ペキン):悠久の歴史を感じる中国の心臓
歴代王朝の中心地で中国五千年の歴史を感じる旅
中国の首都・北京は、政治、歴史、文化の中心地として知られ、かつて元・明・清王朝の都が置かれていました。現在も中国の象徴的なスポットが集中しており、「中国らしい景色を見たい!」という旅行者にとって外せない都市です。
🌟主な見どころ
🔹万里の長城【八達嶺(はったつれい / ハッタツレイ)・慕田峪(ぼでんよく /モーディエンユー)】

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「地球上で唯一、宇宙から見える建造物」とも言われたことがある、まさに中国の象徴ともいえる壮大な遺跡。長さは2万km以上にも及び、北京郊外にある八達嶺(はったつれい / ハッタツレイ)や慕田峪(ぼでんよく/モーディエンユー)は特に観光客に人気のスポットです。
- 観光客で混雑しがちな八達嶺に比べて、慕田峪(ぼでんよく/モーディエンユー)は比較的静かで、景観も美しくおすすめです。
- ロープウェイや滑り台を使えば、体力に自信のない方でも安心して登り降りできます。
- 春や秋の澄んだ空の下、万里の長城のうねるようなシルエットは絶好の撮影ポイント!
🔹故宮(紫禁城)

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約600年間にわたり、明・清の24人の皇帝が暮らした巨大な宮殿。広さは東京ドーム15個分以上におよび、東西南北の軸に沿って配置された宮殿群はまさに圧巻です。壮麗な建築、鮮やかな赤と金のコントラスト、格式高い空間が織りなす雰囲気は、まさに「中国の心臓部」ともいえる存在です。
- 入場には事前予約が必須(公式サイトまたはWeChatミニプログラムから)
- 現地では音声ガイドのレンタルやアプリによる日本語解説もあり
- 「太和殿」前や「乾清宮」など、赤い城壁と金色の屋根が映えるスポットが多数あり、写真好きにもおすすめです
- 敷地がとても広いため、歩きやすい靴と水分補給の準備を忘れずに!
🔹天安門広場(てんあんもんひろば)

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世界最大級の都市広場として知られ、北京の中心部に位置する象徴的な場所。広場の正面にそびえる天安門の楼閣には、毛沢東の巨大な肖像画が掲げられ、中国を代表する“顔”ともいえる存在です。
広場周辺には、中国国家の中枢施設である人民大会堂や、毛沢東の遺体が安置されている毛主席紀念堂など、政治と歴史を感じるスポットが集中しています。
- 記念撮影の定番は、天安門と国旗掲揚塔を背景にした構図
- 毎朝の日の出とともに行われる国旗掲揚式は、感動的で一見の価値あり(要早起き)
- セキュリティチェックが厳しいため、パスポートの携帯は必須です
🔹頤和園(いわえん)

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中国式庭園の最高傑作と称される、清王朝の皇室が築いた広大な庭園。19世紀には西太后が避暑地として愛用した場所としても有名で、現在はユネスコ世界遺産に登録されています。
昆明湖を中心に、人工の万寿山、精緻な石橋、彫刻や彩色が美しい「長廊(ちょうろう)」などが配置され、自然と人工美が見事に調和した風景が広がります。
- 湖では手漕ぎボートや遊覧船も楽しめる
- 万寿山から湖を望む風景や、長廊に描かれた四季の絵画は絶好の撮影スポット
- 敷地が広いため、半日〜1日かけてゆっくり巡るのがおすすめ
- 地下鉄4号線「北宮門駅」または「西苑駅」から徒歩でアクセス可能
🍴グルメおすすめ(北京料理)
🥢 北京ダック(北京烤鴨)

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北京グルメの代名詞ともいえる高級料理。皮はカリッと香ばしく、肉はしっとりジューシーにローストされたアヒルを、甜面醤(甘味噌)、白ネギ、キュウリと一緒に薄いクレープ状の餅で包んでいただきます。
元々は宮廷料理として発展し、外食の場でも特別な日を彩るごちそうとして中国全土に知られています。
- 【名店】
・全聚徳(チュエンジューダー):創業150年以上の老舗で、北京ダックの元祖的存在
・大董(ダードン):スタイリッシュな内装と独自の焼き方で人気のモダン派
・便宜坊(ビェンイーファン):油を使わない“焖炉”式のあっさり系ダックが特徴 - 店によってはテーブルで職人が目の前でカットしてくれるパフォーマンスもあり、旅の思い出に残ります
🥢 炸醤麺(ジャージャー麺)

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北京のローカルフードとして人気の庶民派麺料理。茹でた太めの小麦麺に、甘辛く煮込んだ豚ひき肉の味噌あん(炸醤)をたっぷりかけ、ネギ、キュウリ、大根などの野菜と混ぜて食べます。
シンプルながらもコク深く、一口食べればクセになる味。北京の家庭では定番の昼食メニューでもあります。
- 麺はコシのある手打ち麺が主流で、もちもちの食感が特徴
- 高級レストランから胡同(フートン)の小吃店まで、あらゆる場所で気軽に食べられます
- 老舗のおすすめ:「海碗居」「老北京炸醤麺大王」など
🥢 老北京涮肉(ラオベイジン・シュワンロウ)

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「涮(シュワン)」とは、薄切り肉をお湯にサッとくぐらせて火を通すこと。老北京涮肉は、銅製の炭火鍋を使い、ラム肉を特製のゴマだれでいただく、北京ならではの伝統的な火鍋スタイルです。
清朝時代から続く庶民の味として、寒い冬に家族や友人と囲む風物詩的グルメ。モンゴル文化の影響も色濃く、羊肉の香りやタレの風味が食欲をそそります。
- 🔥 鍋の中心には煙突があり、炭火でじんわりと加熱されるのが特徴
- 🥩 メインは薄切りラム肉、白菜、豆腐、春雨などを一緒に煮込みます
- 🥣 つけダレはゴマペースト+ネギ+香菜+酢や醤油を自分好みに調合
- 🔸有名店:「東来順(ドンライシュン)」「南門涮肉」「老北京涮羊肉城」など
🥢 驴打滚(リュー・ダーグン)

北京の伝統的な餅系スイーツで、もち米粉を使った生地にあんこを包み、仕上げにきな粉(大豆粉)をまぶした素朴なおやつです。
名前の由来は、その見た目が「ロバが地面を転がったように見える」からとも言われ、愛嬌のある名前とやさしい味わいで老若男女に親しまれています。
- 餅のモチモチ感と、甘さ控えめのあんこ、香ばしいきな粉の相性が抜群
- お茶請けにもぴったりで、北京胡同エリアの老舗点心店でよく見かけます
- おすすめ店:「稻香村(ダオシャンツン)」「護国寺小吃」「南来順」などの老舗で購入可能
アクセス&旅のヒント
✈️ 日本各地(成田・羽田・関空・中部など)から北京首都国際空港への直行便が多数運航されています。
空港から市内までは**地下鉄「空港線」やタクシー、配車アプリ(DiDi)**などでスムーズにアクセス可能。
🚆 市内は地下鉄網が非常に発達しており、主要な観光地(故宮・天安門・頤和園など)へは地下鉄で簡単に行くことができます。案内板には英語表記もあり、初めての方でも安心です。
💡 言葉の不安がある方は、翻訳アプリ(deepseekなど)が便利。
また、中国では現金が使えないお店も多いため、WeChat PayやAlipayなどのモバイル決済アプリの事前準備がおすすめです(外国人でも登録可能)。
まとめて
北京を訪れるなら、春(4〜5月)と秋(9〜10月)がベストシーズン。湿度が低く、空気も澄んでいて、万里の長城や頤和園などの屋外スポットも快適に巡れます。
※ 夏は日差しが強く暑いため帽子と日焼け対策を、冬は乾燥と寒さが厳しいため防寒着を忘れずに。
北京は、ただ観光地を巡るだけでなく、中国という国そのものの「軸」を感じられる場所です。王朝の記憶が今も息づくこの街で、スケールと奥深さに満ちた特別な旅をぜひ体験してみてください。