WTTアメリカンスーパープレミア:王楚钦が張本智和を4-0で制し、朱雨玲が復帰後に優勝

WTTアメリカンスーパープレミア:王楚钦が張本智和を4-0で制し、朱雨玲が復帰後に優勝

画像出典:World Table Tennis

北米初開催の大会で中国勢が圧倒的な存在感を示す

【ラスベガス発】2025年7月、北米初となるWTTスーパープレミア「WTTアメリカンスーパープレミア」がアメリカ・ラスベガスのオールリオン体育館で開催され、男子は中国の王楚钦、女子は朱雨玲が優勝を飾った。

王楚钦、張本智和をストレートで下し男子シングルス優勝

男子シングルス決勝では、中国の王楚钦が日本の張本智和に11-3、11-6、12-10、11-8のストレート勝ちを収め、堂々の優勝を果たした。25歳の王は大会を通じてわずか7セットしか落とさず、準決勝ではフランスのフェリックス・ルブランとの激戦を4-3で制しており、その圧倒的な実力と安定感が際立った。

この勝利により、王楚钦は世界ランキング2位の座を確保。早期敗退した梁靖崑や林高遠に代わり、男子中国代表としての責任を一手に担った形となった。

画像出典:World Table Tennis

朱雨玲、闘病を乗り越え復活V 女子シングルス決勝で逆転勝利

女子シングルスでは、かつて世界ランキング1位の座に就いた朱雨玲が、21歳の新鋭・陳熠との決勝戦に臨み、0-2から4セットを連取する逆転劇でタイトルを獲得した。2021年に甲状腺がんを患い、一時競技から離れていた朱は、2024年に復帰。今回の優勝は、彼女にとって完全復活を象徴するものとなった。

朱は今大会で、世界2位の王曼昱、韓国の申裕斌、そして準決勝で日本の伊藤美誠を撃破するなど、圧巻のパフォーマンスを披露。最終的には世界ランキングも一気に8位上昇し、6位にランクインした。

画像出典:World Table Tennis

陳熠の躍進、新世代の到来を印象づける

陳熠は今大会で世界1位の孫穎莎、早田希娜らを破る快進撃を見せ、決勝進出を果たした。最終的には朱雨玲に敗れたが、世界ランキングは7ランクアップし、初のトップ10入りとなる10位に浮上。新世代を代表する選手として、今後の更なる飛躍が期待される。

ダブルス各種目でも白熱の戦い

  • 女子ダブルスでは、王藝迪/蒯曼組が王曼昱/孫穎莎組を下し優勝。蒯曼は今大会で2冠を達成した。
  • 混合ダブルスでは、林詩棟/蒯曼組が韓国の林鐘勳/申裕斌組にストレート勝ちし、3大会連続優勝。
  • 男子ダブルスでは、韓国の林鐘勳/安宰賢組がフランスのルブラン兄弟組を3-1で下し、金メダルを獲得した。

史上初の北米開催、大会の規模と注目度も過去最大級

WTTアメリカンスーパープレミアは、総額150万ドルの賞金と2000ポイントの世界ランキングポイントが付与される、オリンピック・世界選手権に匹敵する格式を誇る大会。世界30カ国以上から選手が参加し、北米における卓球普及に大きな一歩を刻んだ。

コイントスにはNBAのヤン・ハンセン選手が登場し、試合観戦には著名なバスケットボール選手も姿を見せるなど、他競技とのクロスオーバーも話題を呼んだ。

世界ランキングに大きな変動

ITTF(国際卓球連盟)は大会終了後、最新の世界ランキングを発表。男女ともに順位に大きな変動が生じた。

男子シングルスランキング(2025年7月15日現在)

  1. 林詩棟 – 8975 pts
  2. 王楚钦 – 8225 pts(+1位)
  3. 雨果・カルデラーノ – 7520 pts
  4. 張本智和 – 7100 pts
  5. 梁靖崑 – 6600 pts
  6. フェリックス・ルブラン – 6600 pts(+1位)
  7. トリルス・モレガード – 6500 pts(-1位)
  8. 林昀儒 – 6400 pts
  9. ダコ・ヨキチク – 6200 pts
  10. 向鹏 – 5900 pts

女子シングルスランキング(2025年7月15日現在)

  1. 孫穎莎 – 9600 pts
  2. 王曼昱 – 9300 pts
  3. 陳幸同 – 8800 pts
  4. 蒯曼 – 7800 pts(+1位)
  5. 王藝迪 – 7700 pts(-1位)
  6. 朱雨玲 – 7600 pts(+8位)
  7. 張本美和 – 7200 pts
  8. 伊藤美誠 – 7100 pts
  9. 大藤沙月 – 6700 pts
  10. 陳熠 – 6500 pts(+7位)

ランキングの詳細は国際卓球連盟公式サイトにて公開されている。

まとめ

朱雨玲の復活劇は、卓球界だけでなく多くのスポーツファンの心を打った。一方、新世代の台頭も著しく、陳熠をはじめとする若手の活躍が光った大会となった。

次回のスーパープレミアはどの都市で開催されるか未定だが、卓球界はすでに新たな戦いへと歩を進めている。