相対パスと絶対パスの使い方

相対パスと絶対パスの使い方

相対パスと絶対パスは、ファイルやリソースを参照するための方法です。相対パスは現在のファイルからの位置関係でリソースを探し、絶対パスはサイトのルートディレクトリまたはURLの先頭から指定します。どちらを使うかはプロジェクトの構造や用途によって異なります。

✅ 一、相対パス(現在のファイルの位置を基準)

✴️ よく使われる書き方

書き方意味
./file.html現在のディレクトリ内の file.html
../file.html1つ上のディレクトリにある file.html
folder/file.html現在のディレクトリ内の folder フォルダにあるファイル
../../img/pic.jpg2つ上のディレクトリにある img フォルダ内の画像

✅ メリット

  • 柔軟性が高く、フォルダ構成を変更しても対応しやすい
  • サーバーのルートに依存しないため、ローカル開発に適している

❌ デメリット

  • ディレクトリ構成が変わると簡単にパスが壊れる
  • 大規模プロジェクトの共通リソース参照には不向き

✅ 二、絶対パス(ウェブサイトのルートまたは完全なURLを基準)

✴️ 2つのケース

1. サイトのルートディレクトリからのパス( / で始まる)

<link rel="stylesheet" href="/css/style.css">
<img src="/images/logo.png">

→ これは、サイトのルート / にある css/style.cssimages/logo.png を指します。

2. 完全な URL の場合

<script src="https://cdn.example.com/lib.js"></script>

→ 外部のサーバー(CDNなど)から読み込まれるリソースです。

✅ メリット

  • ファイルの場所がディレクトリ構造に左右されない
  • CDN や共通リソースなど、固定パスの指定に適している

❌ デメリット

  • サイトのディレクトリ構造が変わった場合、リンク切れになる可能性がある(管理者でない限り修正しにくい)
  • ローカル環境(HTML をダブルクリックして開いた場合)では / から始まるパスがうまく動作しないことがある

📝 注意点・補足

相対パスの落とし穴

  • ../ の階層を間違えると読み込めない
  • フォルダ構造を変更すると全て修正が必要になる場合もある

絶対パスの誤解

  • / から始まるのは「パソコンのルート」ではなく「ウェブサイトのルート」
  • ローカル環境で .html をダブルクリックして開くと絶対パスが効かないことがある

使い分けのコツ

  • 自分のファイルと同じ階層や下のフォルダなら相対パス
  • サイト全体で共通して使うリソースは絶対パス

❓ Web制作現場でよくある質問(FAQ)

Q1:相対パスはいつ使う?

A: 同じディレクトリ内や近くのファイルを参照するときに使います。コンポーネント内部などで便利です。

Q2:絶対パスはいつ使う?

A: サイト全体で使うCSSや画像、外部のCDNなど、常に同じ場所にあるものを参照したいときに使います。

Q3:/img/logo.pngの意味は?

A: サイトのルートディレクトリにある img フォルダの中の logo.png を指定しています。

Q4:絶対パスがローカルで動かないのはなぜ?

A: ブラウザで直接HTMLを開いていると、/ の意味が曖昧になり、正しく読み込めない場合があります。サーバー上では問題ありません。

Q5:混ぜて使っても大丈夫?

A: もちろん可能です。多くのプロジェクトでは、目的に応じて両方を使い分けています。


📝 まとめ(相対パス vs 絶対パス)

Web開発において、ファイルやリソースを正しく読み込むためには、「相対パス」と「絶対パス」の違いを理解しておくことが重要です。

✅ 相対パスの特徴

  • 現在のファイルの位置を基準にリソースを指定する方法
  • ローカル環境や柔軟なディレクトリ構成に適している
  • 例:./style.css../img/logo.png
  • フォルダ構造を変更するとパスが壊れることがある

✅ 絶対パスの特徴

  • サイトのルートディレクトリ(/)または完全な URL からの指定
  • サイト全体で共通のリソースや CDN に適している
  • 例:/css/main.csshttps://example.com/js/app.js
  • ローカルでの動作に注意が必要(/ で始まるパスは失敗することがある)

🔁 使い分けのポイント

  • 開発中・モジュール間の連携:相対パスが便利
  • 本番環境・共通ファイルや外部サービス:絶対パスが安定
  • 両方を場面によって使い分けるのが理想的