新疆旅行記#1|アルタイの秘境・禾木(ハームー)村で童話のような風景と出会う

はじめに
新疆ウイグル自治区アルタイ地区、フールジン県カナスハームー郷にある「禾木(ハームー)村」は、カザフ族とトゥワ族が共に暮らす小さな山間の集落です。
ハームー村に足を踏み入れた瞬間、目の前に広がる光景に圧倒されました。すべての家屋は素朴な木造小屋で、谷間の地形に沿って点在し、村のそばを流れるハームー川は澄みわたる淡い青色を湛えています。周囲には広大な草原と白樺林が広がり、遠くの山頂には雪が積もり、まるで童話の中に迷い込んだかのような風景が広がっていました。
朝霧に包まれる「ハーデンプラットフォーム」
禾木(ハームー)村で最も美しい朝霧を眺めるには、「ハーデンプラットフォーム」が最適です。特に夏場は、朝6時前には到着しないと、良い観賞スポットを確保するのが難しくなります。
この地に立ち込める朝霧は、まるで幻想的な薄紗のように谷間をゆっくりと流れます。最初の陽光がその霧を突き抜け、村に並ぶ木造小屋を照らすと、辺りは一瞬にして金色の輝きに包まれます。その光景はまさに息を呑む美しさです。
ただし、朝霧の出現には天候条件が関わります。風がなく晴れており、かつ昼夜の寒暖差が大きい日が理想です。また、プラットフォームまでは暗い道を進むため、懐中電灯やヘッドライトが必要です。朝は冷え込むため、ウィンドブレーカーや軽めのダウンジャケットの着用をおすすめします。


禾木(ハームー)川沿いを散策する
禾木(ハームー)川に沿った遊歩道の散策は、この旅の中でも特に印象的な時間でした。川の水は透き通るように澄んでいて淡い青色をしており、太陽光を受けてきらきらと輝いています。
川辺の木々の緑と、遠くにそびえる雪山が見事に調和し、特に夕暮れ時になると、柔らかな光が体を包み込み、詩的な空気が漂います。散策中に聞こえるのは、川のせせらぎと、ときおり響く鳥のさえずりだけ。まるで喧騒とは無縁の、別世界にいるような気持ちになります。

馬に乗って美麗峰を探索する
禾木(ハームー)村から馬に乗って、美麗峰を訪れるのは忘れがたい体験でした。進むにつれて視界が開け、連なる山脈や果てしなく広がる草原が眼前に現れます。
美麗峰は、恥ずかしがり屋の少女のように、遠くから静かに佇んでいます。馬の背で感じる揺れと共に、美しい風景をじっくりと楽しめます。ただし、乗馬ツアーを選ぶ際には、必ず正規のルートを通じ、価格が明確か、安全性が確保されているかを確認することが大切です。
また、禾木(ハームー)村に点在する木造小屋そのものも、独特の風景をつくり出しています。カザフ族とトゥワ族の人々が暮らすそれらの住まいは、素朴でありながら自然と調和し、庭で働く村人たちの姿には、素朴な生活の息吹が感じられます。
禾木(ハームー)村の個性的な民宿:風景の中に住む
私たちが宿泊したのは、「禾木(ハームー)観光区内のガーデンウッドハウス民宿」です。村の森林の端に位置し、背後には青い山々が連なり、静かで落ち着いた環境にあります。


建物は、現代的な要素と地元の伝統的な木造建築が見事に融合し、外観は優雅で洗練され、内部は細部まで丁寧に設えられた贅沢な空間です。客室はすべて天然木材が使われており、温もりがあり快適。一部の部屋には展望バルコニーがあり、部屋の中からホム村の絶景を堪能できます。
料金はやや高めではありますが、上質なサービスと圧倒的な体験価値を考えれば、十分に満足できる宿でした。
旅のヒント
禾木(ハームー)村の標高はおよそ1,124メートル。通常、高山病を引き起こすことはありませんが、今後さらに標高の高い場所へ向かう予定がある場合は、この時点から十分な休息を取り、激しい運動を避けて、体を少しずつ新疆の気候に慣らしておくことが大切です。
また、禾木(ハームー)村は昼夜の寒暖差が非常に大きく、特に夜間は冷え込みます。防寒対策として、必ず暖かい服を用意しておきましょう。