はじめてのHome Assistant|特徴とインストール方法をわかりやすく紹介

スマートホーム化を検討している皆さん、「Home Assistant」という名前を耳にしたことはありますか?
IoT機器が日々進化する中、それらを一元的に管理し、自分のライフスタイルに合わせた自動化(オートメーション)を構築できるオープンソースのスマートホームプラットフォームとして、Home Assistantは今、大きな注目を集めています。
本記事では、Home Assistantとは何かという基本的な概要から、最もスタンダードで初心者にも扱いやすい「Home Assistant OS」のインストール方法まで、Raspberry Piを活用した導入手順を具体的にご紹介します。
「スマートホームって難しそう……」と感じている方でも、この記事を通じて安心して最初の一歩を踏み出せるよう、わかりやすく構成しています。
読み終える頃には、ご自宅のスマートホーム化に向けた第一歩を踏み出す準備が整っているはずです。
Home Assistantとは?

Home Assistant(略してHA)は、Pythonで開発されたオープンソースのスマートホームオートメーションプラットフォームです。
ローカル環境で動作し、さまざまなスマートデバイスやサービスと連携しながら、自動制御や管理を一元的に行うことができます。
クラウドサービスに依存することなく、ユーザー自身の手で自由度の高いスマートホーム環境を構築できる点が大きな特長です。
Raspberry Pi(ラズベリーパイ)やNAS、仮想マシン、あるいは古いPCなど、さまざまなハードウェアに導入可能で、多くのオートメーションタスクをインターネット接続なしでも実行できます。
そのため、プライバシーやデータの安全性を確保しながら、安定性の高いスマートホーム環境を構築することができます。
公式サイト:https://www.home-assistant.io/
なぜHome Assistantを導入するのか?
ローカルで動作:
インターネット接続が切断された場合でも、スマートデバイスの制御はローカルで継続可能です。
すべてのデータはユーザーのローカル環境に保存されるため、プライバシーとセキュリティの確保に優れています。
マルチブランド対応:
Mi Home(ミホーム)、Philips Hue、Tuya、Zigbeeなど、メーカーの垣根を越えて多様なIoT機器と統合できます。
統一されたインターフェースで一括管理が可能です。
高機能なオートメーション:
時間帯・センサーの状態・ユーザーの行動など、複数の条件やトリガーを自由に組み合わせて、きめ細やかな自動化シナリオが構築できます。
カスタマイズ可能なインターフェース:
UI(ユーザーインターフェース)は完全に自由にレイアウト・テーマのカスタマイズが可能。
オープンソースかつ無料:
Home Assistantは完全に無料で利用可能なオープンソースプロジェクトです。
アドオンやカスタムコンポーネントが豊富に提供されており、DIY志向の強いユーザーにとって理想的なプラットフォームです。

Home Assistantのインストール方法
- Home Assistant OS(公式推奨)
専用のOSイメージで、Raspberry Piや仮想マシンなどにそのまま書き込んで使える、最も簡単で安定した方法です。 - Dockerによるインストール
コンテナ環境で柔軟に運用したい中・上級者向けの方法です。 - Home Assistant Supervised
Debian上にインストールし、Add-onなども利用できる、柔軟性と機能性を両立した方法です。 - Home Assistant Core(純粋なPython版)
最も軽量なバージョンで、仮想環境などに手動でインストールします。高度な知識が必要です。
※ 本ブログではまず「Home Assistant OS」のインストール方法のみを解説します。他のインストール方法については、今後の記事で順次紹介する予定です。
それでは、始めましょう。

必要なハードウェア
- Raspberry Pi 5 または Raspberry Pi 4(※メモリは最低でも2GB搭載モデルを選んでください)
- Raspberry Pi用電源アダプター
- microSDカード(最低32GB、推奨:高速タイプ)
- SDカードリーダー(パソコンで書き込み用)
- イーサネットケーブル(有線接続を推奨)
今回は、Raspberry Pi 4B + 64GBのmicroSDカード を使用します。

インストールを始めましょう
- Raspberry Pi公式サイト にアクセスし、Raspberry Pi Imager をダウンロードしてインストールします。
- SDカードをカードリーダー経由でパソコンに挿入します。
- Raspberry Pi Imagerを起動し、ご使用のデバイスを選択します。
例:Raspberry Pi 4 を選択。 - 「OSを選ぶ(Choose OS)」をクリックします。
次に、
「Other specific-purpose OS(その他の特定用途のOS)」 > 「Home assistants and home automation」 > 「Home Assistant」
を順に選択します。 - 「ストレージを選択(Choose Storage)」をクリックし、書き込み先のSDカードを選びます。
「次へ(Next)」をクリックして、書き込み処理を開始します。
しばらく待つと、Home Assistant OSの書き込みが完了します。

Raspberry Piの起動
- SDカードをRaspberry Piに挿入します。
- イーサネットケーブルを接続し、Raspberry Piとパソコンが同じネットワークかつインターネットに接続されていることを確認します。
- 電源を接続してデバイスを起動します。起動には数分かかるので、そのまま待ちます。

Home Assistantへのアクセス
Raspberry Piの起動から数分以内に、Home Assistantへアクセスできるようになります。
パソコンやスマートフォンのブラウザで以下のURLを入力してください:http://homeassistant.local:8123
ページが表示されるまでの時間はハードウェアによって異なりますが、Raspberry Pi 4や5の場合は通常1分以内にアクセス可能です。

もし Raspberry Pi 4 または 5 で5分経ってもアクセスできない場合、システムイメージの書き込みが正しく行われていない可能性があります。
以下を試してみてください:
1.別のSDカードを使ってみる
2.SDカードに再度イメージを書き込む
おめでとうございます!Raspberry Piのセットアップが完了しました!

次回の記事では、ご自宅のさまざまなデバイスをHome Assistantに接続して、実際に操作する方法を一緒に学んでいきます。お楽しみに!
次回の記事 「Home Assistant の初期設定」